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家づくりのお話

大分県中津市の分譲地・新築住宅・注文住宅・デザイナーズハウス。

家づくりの会社、地域密着型工務店・ハウスメーカー、フォーユーホームの中島です。

 

最近ですが、制震装置を製造しているメーカーさんから資料を頂く事がありました。

そこで、今日のブログでは、

制震とはなんぞや?

と、それに伴って、

免震・耐震とはなんぞや?

という事に触れたいと思います。

 

では、タイトルの順番通り、まずは免震について。

◆免震とは

それぞれの名称が、読んで字のごとくなのですが、免震とは「地震による揺れを免れる」仕組みを備える事。

免れるってどういう事?というと、

<免れる>・・・身に受けては好ましくないことから逃れる。また、避けてそれにかかわらない。(大辞泉)

とある様に、揺れを伝えないようにし、建物に地震の被害が発生しないようにするという事です。

具体的には、

こんな巨大なゴムの塊を建物の基礎と地面の間に設置し、揺れを吸収します。

ゴムの塊じゃなくて、ベアリングやバネなどを使用したものなど、違う方式のものもあります。

(磁気や空気で建物そのものを「浮かせてしまう」ものも・・・! この辺になるとまだ法整備が追い付かないようで、違反建築物となる可能性も指摘されています。)

この仕組みのメリットは、何と言っても、地震に対しての仕組みの中では建物への影響が一番小さい事。

そもそも揺れないようにするんだから、当然です。

最大のデメリットは・・・コスト。

特殊な装置を、基礎と地盤の間に設置するという大掛かりな工事になる為、数百万円以上のコスト負担につながります。

この負担は個人にはかなり大きいですね・・・。

なので、マンションやビル、精密機械を扱う工場や病院、高価な文化財や美術品を収蔵する建物などに採用されることが多く、個人の住宅での採用はまだまだ多くないようです。

それと、性能を最大限発揮する為には定期的な点検・メンテナンスが必要になるので、その点も留意しておく必要があります。

 

では、次に、

◆耐震とは

について。

「耐震」とは、「地震による揺れに耐える事」です。

免震と違い、建物には地震のエネルギーが伝わります。

その際に、建物が倒壊したりしない様に、揺れに対して頑丈にしていく方法です。(硬くするイメージ?)

昨今注目度が高まっている「耐震等級3」にも使われている言葉ですね。

「耐震等級」とは、

耐震等級1 極めて希に(数百年に一度程度)発生する地震力に対し倒壊せず、希に(数十年に一度程度)発生する地震力に対し損傷しない
耐震等級2 等級1で耐えられる地震力の1.25倍の力に対して損傷を生じない
耐震等級3 等級1で耐えられる地震力の1.5倍の力に対して損傷を生じない

と、品確法で明文化された基準に沿って建築された建物に与えられる等級。

と言っても、ちょっと分かりにくいですね。

ここでいう「数百年に一度程度発生する地震」とは、いわゆる「阪神淡路大震災」が起きた時の神戸での揺れ・・・ぐらいの地震だそうです。

地震と一口に言っても、まだまだ研究が進められている段階で、長周期、超長周期、短周期、縦揺れ、横揺れ、エネルギー、震源からの距離、地盤の状態・・・と、様々な要素が絡み合って、いろんなタイプの地震があり、震度やマグニチュードといった単純な指標では一概に被害が想定出来ない為、こんな言い方になるんでしょう。

それはさておき、耐震とはあくまで、「地震を受ける事を前提にして、倒壊しないようにする」という考え方の為、確実にダメージは受けます。

耐震等級も、地震による倒壊で人命が損なわれないように、かつ、倒壊しなかったとしても、建物として使えない程損傷しないように、という考え方で設けられています。

「損傷」というのは構造躯体に対しての事で、「壁やクロスのひび」「窓ガラスなどの破損」「設備・機器類の破損」など、そのほかの部分についてではないので、期待しすぎてはいけません。

そして、耐震等級は取得する為に複雑な計算が必要ですが、この計算には「柱・壁の直下率と偏心率」は考慮されない、というのもポイント。

これが考慮されない為に、直下率が低いお家となり、結果として耐力壁の効果が弱まったり、家がねじれたりすることで、部分部分は「カタい」お家なのに、崩れてしまう・・・という事も起こりかねない点も気になります。

ただ、特殊な装置や工法を必要としない為、免震に比べてコストを抑えやすく、導入しやすい事と、法律上できちんと基準が設けられているのは確実なメリットです。

デメリットは、地震によるエネルギーを受ける事を前提にしているため、大きな地震を受けた際に、倒壊しないとしてもダメージは確実に溜まっていく点。

そして、一定量以上の耐力壁が必要不可欠の為、間取りについて、希望に添えない部分が出てくる場合がある、という点です。

 

さて、最後に

◆制震とは

について。

制震とは「地震による揺れを制御する」工法。

耐震と同様に、建物・基礎・地盤が繋がっている為、地震によるエネルギーは建物に伝わりますが、建物各所にダンパーと呼ばれる装置を設置したりして、お家に伝わった揺れを吸収・抑制します。

ダンパーは色んなメーカーさんが色んな商品を出していますが、主に、

・オイル(油圧)ダンパー

・ゴムダンパー

・鋼材ダンパー

に分けられます。

それぞれの特徴として、

油圧式

・車のショックアブソーバーの様な仕組み。繰り返される地震に有効で、余震にも対応。

・装置自体の構造が複雑になりやすい為、高価になりがち。

ゴム

・ゴムによる伸縮で揺れを吸収。繰り返す揺れにも有効。

・ゴムの特性上、気温の影響を受けやすいことと、劣化の早さが懸念される。

鋼材

・金属が曲がる事で、揺れのエネルギーを熱に変換し、建物への影響を抑える。

・シンプルな造りの為、比較的安価。ただし、繰り返す揺れに対して変換・吸収できる限界を超えてしまうと、機能しなくなってしまう。

こういったところが挙げられます。

各メーカー・各製品ごとに特長・長所・短所・価格が様々な為、これがイチバン!とは一概には言えないので、期待する性能や家づくり計画全体の予算のバランスを考えて、取捨選択していきたいところです。

 

◆まとめ

では、それぞれの特徴を簡単にまとめます。

免震

・揺れを伝えない。

・初期費用に加え、定期的な点検・メンテナンスが必要な為、コストを含めた負担が大きい。

耐震

・揺れに耐える。

・明確な基準があり、性能を把握しやすい。

・3つの工法の中ではコストを抑えやすいが、受けたダメージは蓄積されていく。

・間取りに制限がかかる場合がある。

制震

・揺れを制御する(抑える)。

・装置にもいくつか種類があり、機能・性能・コストに幅がある。

 

 

はい。

随分と長くなりましたが、いかがでしょうか?

これらの工法は組み合わせていく事も出来ますし、もちろん、より性能の高い物、安心できるもの、を取り入れられればそれに越した事はないですが、

「地震に対しては万全。でも日々の暮らしにストレスがたまる」

なんて言う事になってしまっては、家づくりの意義がかすんでしまうので、無理の無い範囲で、最適なものを選んでいきたいですね。

 

ではまた!

 

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